【10月17日】〜「降りそそぐ」「WHICH DO WE CHOOSE NOW?」「蘇生」〜

みなさんこんばんは。今日も日付ギリギリでごめんなさい。本日の作品紹介は「降りそそぐ」「WHICH DO WE CHOOSE NOW?」「蘇生」の三作品です。

本日一作品目、「降りそそぐ」は恐怖の電気パンこと山下恵による作品です。

この作品はホッパーの操業していたときの石炭を貨車に積み込むときの様子が、六角形にかたどられたやわらかな布で表現されています。「六」と言う数字は個人的になぜか石炭や炭素とむすびつきやすいと思っています。Cの元素番号が6だからか、ダイヤモンドを簡略的に描く時六角形で示すからなのか。

そして「六」と言えば、六花つまり雪も喚起させられます。操業が停止してからは頭上の石炭を落としていた穴から北海道ならでは!の雪が入り込んでいきます。それイメージしているのでは?考えてくれている方もいらっしゃいました。ふんわりと揺れる様子で、私達の想像を色々とかき立ててくれる作品です。

 

本日二作品目は澁谷俊彦さんの「WHICH DO WE CHOOSE NOW?」です。

この作品のタイトルを日本語で言うと「私達は今どちらを選びますか?」。設置されているたくさんのカラフルな石と、いくつかの美しく黒々とした小さな石炭。カラフルな石は白い丸石を「マーブリング」で着色しロウでコーティングしてもの、石炭は澁谷さんが下見の際に実際に奔別から持ち帰ったものです。これらは現在数多くある「エネルギー源」を表現しています。現在は原子力、水力、火力、風力…..と数多くの方法でエネルギーをつくり出しています。数多くのエネルギー問題が深刻な昨今、「今何を選んで生きていきますか?」という問いかけをしている作品です。

そして日本で最も炭鉱産業が栄え石炭を採掘していた時代よりも多くの石炭を輸入している現代日本。今、また石炭や炭鉱産業の歴史を見直すべきではないのかと澁谷さんは仰っていました。石の設置されている台のしたの、電気を灯す蛍光灯や、電気を遮る陶器やガイシも私達に選択することを促しているように思います。

 

本日最後の作品は札幌市立大学2年生6人のユニット、STUによる「蘇生」です。フィラメント部が取り外れた電球に、水と水草が入っています。

これは老朽化したホッパーにまた植物が芽吹き、育っている現在を表現しています。この本来とは違う使われ方をした電球も作品として輝いているのと同じように、会場となっているホッパーも現在は施設としての本来の役割とは違い、廃墟のようになってしまっていますが、私達に多くのことを語りかけてくれます。

物事の価値というのは一つだけではなく、視点をかえることで二つにも三つにもなることを教えてくれる作品です。

 

昨日のFacebookでのコメントにもあったように作品の見方は個人で様々です。私の紹介しているのは、見方の一つとして参考程度に流していただいて結構です。皆様の思うまま、感じるままに解釈していただき、作品を味わってもらうことが制作した私達にとっての喜びでもあります。

しかしどの作品も、私達なりに炭鉱産業の歴史やそこで暮らしていた人、その場のことを考え、歴史に寄り添えるようにと心をこめている作品だと言うことだけは共通しています。

明日の作品紹介は「みいつけた」「T’s room」「かぶりつき乗車」の三作品です。おやすみなさい。

 

札幌市立大学 山本倫子