不思議との出会い

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8月23日(土)~10月13日(月・祝)まで開催されていた「そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014」。
夕張市では旧北炭清水沢火力発電所をはじめ、清水沢駅や万字に行く途中にある鉄塔に様々なアートが生み出されていた。

ここで一つ、小話をば・・・。

私が発電所の運炭所で保安スタッフを務めていた時である。
一人の男性が来場された。ゆっくりとした足取りで、大きく周りを見渡しながら。

男性はゆっくりと、一つ一つを丁寧に鑑賞していた。

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しばらくすると、
「なんて不思議なんだ」

男性は私に声をかけてくれた。
「アートプロジェクトの記事を見て不思議で仕方なかったんだよ。発電所がアートってどういうことだ?って。」
「不思議すぎて昨日は寝られなかった。でも今日来て、その意味が分かったよ。」

ちなみに運炭所はほぼ当時のままの状態で残されていたらしく、詰所には雑誌やたばこ、工具類などが乱雑に置かれていた。
その状態を大切に残し、作家たちは様々な世界を繰り広げていた。

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話は戻って、そのことを男性に伝えると突然、
「えっ!!なんで!?なんでそのままなの!?」

非常に興奮された眼差しだった。
再び作品を見返し、最後には、
「謎が深まった。でもすごく良い場所に来た!」
と言いながら帰って行かれた。

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なんだか嬉しくなったのを覚えている。
人が創り上げたもので人が感動する。
言葉で言うと単純だが、すごく素敵なことだと思う。

約2か月の会期中、周りの木々たちは色を変えていった。
会場となった場所も、人の思いやその世界、そして時間がたくさん変化しながら生きていたのだろう。

一つの小話にすぎないが、こんな出会いや気づきを与えてくれたアートプロジェクトに感謝したい。

髙橋沙紀(アートマネジメントメンバー)